紫芋のなかでも甘みの強さで注目される「ふくむらさき」。苗を手に入れて自分で育ててみたい、と考える方が増えています。

ただ、ふくむらさきは農研機構が育成した登録品種です。「登録品種は勝手に育てていいの?」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。また、ほかのさつまいもと同じように育てると、小さないもばかりになりやすいという特徴もあります。

品種そのものの特徴はふくむらさきとは?特徴・味・紫色の理由の記事にまとめています。本記事では、家庭菜園でふくむらさきを育てるときの決まりごとと、この品種ならではの栽培の調整点について、一次情報をもとにわかりやすくご説明したいと思います。

ふくむらさきは家庭菜園で育ててよい品種?

ふくむらさきは、販売も譲渡もしない自家消費の家庭菜園であれば、許諾なしで育てられます。ただし農研機構が育成した登録品種(品種登録番号 第28530号・2021年7月9日登録)で、育成者権は2056年7月9日まで存続します。ここでは、どこまでが自由で、どこからが許諾の必要な行為なのかを、農林水産省と農研機構の資料に沿って整理します。

なお、存続期間について補足します。2026年7月24日の種苗法改正により、同日に育成者権が存続していた品種の存続期間は、登録から35年に延長されました。農林水産省の品種登録データベースでも、ふくむらさきは登録日2021年7月9日・存続期間35年と確認できます。古い資料には25年・2046年満了と記されているものがありますが、現在の制度では2056年7月9日が正しい満了日です。

販売も譲渡もしない自家消費なら、種苗法の制限の対象外

まず結論からお伝えします。**収穫したいもを販売も譲渡もせず、自分や家族で食べる家庭菜園であれば、種苗法の制限の対象外です。**許諾の手続きも必要ありません。

農研機構も、カンショ登録品種の許諾手続きに関する案内のなかで、家庭菜園について明確に答えています。個人の趣味による栽培や自家消費用の利用は種苗法で制限されておらず、農業者向けの「自家用の栽培向け増殖」の許諾にも該当しないため、許諾は不要であるとしています(農研機構)。

ここで注意したいのは、判定の基準です。「販売するかどうか」ではなく、**「販売も譲渡もしない自家消費が目的か(=業としての利用でないか)」**が分かれ目になります。「売らなければ何をしてもよい」という意味ではない点にご注意ください。

正規に買った苗からとれたいもは、人に渡してもよい

では、収穫したいもをご近所や知人におすそ分けするのはどうでしょうか。

正規に購入した登録品種の苗から得た収穫物を譲渡することは、有償・無償を問わず禁止されていません(農林水産省「種苗法に関する一般的なご質問」)。つまり、種苗会社から正しく買った苗で育てたいもであれば、おすそ分けそのものが問題になるわけではありません。

ただし、同じ「収穫物」でも扱いが変わる場合があります。農林水産省は、収穫物を譲渡するために登録品種の種苗を増殖する行為や、増殖した種苗から得られた収穫物を譲渡する行為については、育成者権者の許諾が必要としています。農研機構も同じ趣旨で、趣味の栽培であっても、増殖した種苗やその種苗から生産した収穫物を他者へ譲渡することは育成者権の侵害にあたると案内しています。

区別のポイントは、そのいもが**「正規に買った苗から直接とれたもの」か、「自分で増やした種苗からとれたもの」か**という点です。

「増やして配る」だけは登録品種ではできない

もうひとつ、はっきりしている線があります。増殖した種苗そのものを他の人へ譲る行為です。

登録品種の基本原則は、種苗の増殖・譲渡には育成者権者の許諾が必要ということです。ただし具体的な手続きは、権利者や品種によって異なります。

ふくむらさきの場合、育成者権者は農研機構です。農研機構が育成した登録品種では、増殖した種苗を他者へ種苗として譲渡する場合、自家用増殖の許諾とは別に、団体等を通じた利用許諾契約の手続きが必要になります。しかも農研機構は、個人との利用許諾契約は行っておらず、許諾を希望する場合は団体名義で申し込むよう案内しています。

つまり、家庭菜園の範囲では**「育てて食べる」は自由でも、「増やして配る」はできない**とお考えください。つるが余ったから友人に分ける、といった行為は避けるのが安心です。

収穫物を販売する場合はルールが変わる

ここまでは、自家消費の家庭菜園を前提としたお話です。収穫したいもを販売する場合は、農業経営としての利用にあたるため、扱いが変わります。

自分の畑で使う種苗を自分で増やす「自家用の栽培向け増殖」には、育成者権者の許諾が必要です。農研機構のカンショ登録品種では、許諾は無償ですが、原則として手続きが要ります。「許諾=有償」ではない点は誤解されやすいところです。

ただし、正規に入手した種苗そのものからの増殖にかぎっては、入手後1年間は手続きが不要とされています。1年を過ぎて種芋を伏せ込んだり定植したりする場合は、許諾が必要になります。なお許諾期間は、許諾通知の日付から3年経過した後の最初の指定日(10月31日)までとされており、その後は種苗を更新することが求められています。

ふくむらさきの苗はどこで手に入るのか

ふくむらさきは比較的新しい品種のため、苗の流通量はまだ限られています。とはいえ、入手経路そのものは整っています。ここでは、どこから買うのが正規のルートなのかと、苗が出回る時期の目安をご説明します。

農研機構の許諾を受けた種苗会社から入手する

ふくむらさきの苗は、2019年春から民間の種苗会社などを通じて供給される予定であるとされていました(農研機構プレスリリース2018)。現在も、切苗やポット苗を取り扱う種苗会社があります。

農研機構は、育成した品種について種苗入手先リストを公開しています。どの会社が取り扱っているかは、まずこのリストで確認するのが確実です。取扱状況は年によって変わるため、購入を検討される際は最新の情報をご確認ください。

なお当サイトは非営利の情報サイトのため、特定の販売店をおすすめすることはいたしません。正規に許諾を受けた種苗会社から購入することには、種苗法上の位置づけがはっきりするという意味に加えて、健全な苗が手に入りやすいという実務上の利点もあります。

苗の質は結果にも表れます。茨城県の現地試験では、ウイルスフリー系統(ウイルスを取り除いた種苗)を使うと収量や形状の品質が向上し、「曲り」や「裂開」といった障害が少なくなる傾向が報告されています。

切苗とポット苗、出回る時期

さつまいもは、種いもから伸びたつる(苗)を切り取って植えるのが基本です。この切り取った苗を「切苗(きりなえ)」と呼びます。近年はポットに植えられた状態で売られる苗も増えています。

苗が出回るのは、おおむね5月ごろです。ふくむらさきの場合は流通量が限られるため、扱う会社によっては早めに売り切れることもあります。植え付けの適期から逆算して、余裕をもって探し始めるとよいでしょう。

栽培を左右するふくむらさきの品種特性

ふくむらさきの栽培でつまずきやすいのは、じつは品種特性を知らないまま一般的な方法で育ててしまうことです。ここでは、育成を担当した農研機構の資料から、栽培に直接影響する特性を3つに絞ってご紹介します。次の章で扱う「何を変えるか」の理由にあたる部分です。

上いも1個重が軽い——数はとれるが1個が小さい

ふくむらさきの栽培でとくに影響が大きいのが、1個あたりのいもが小さいという点です。育成地(宮崎県都城市)での試験結果は次のとおりです。

品種上いも収量(kg/a)標準比(%)上いも1個重(g)株当り上いも数
ふくむらさき201811274.2
高系14号(標準)2491001923.5
パープルスイートロード2981201944.2

甲斐由美「焼きいもに向く,甘みの強い紫サツマイモ新品種『ふくむらさき』」表1。試験年度2009〜2011年・2013〜2017年。上いも=重さ50g以上のいも)

株当りのいもの数は高系14号より多いのに、1個重は127gと、高系14号の192g・パープルスイートロードの194gを大きく下回ります。数はとれるけれど1個が小さい、という品種だとお考えください。この一点が、あとで述べる栽培の調整すべてにつながっています。

農林水産省の「かんしょ品種の普及状況」主要品種特性表も、ふくむらさきの栽培特性として「肥大が遅いので、遅植えや早掘りは不可」と記しています。

萌芽性は「中」、貯蔵のし易さは「中」

種いもから芽が出る性質(萌芽性)は「中」と評価されています。標準品種の高系14号は「やや不良」です。

ただし、この評価だけで「育苗しやすい」と言い切ることはできません。種いもから苗を採るには温度や期間の管理が必要で、家庭菜園では市販の切苗・ポット苗を使うのが一般的です。萌芽性は、種いもから苗を仕立てる場合に関わる指標だとお考えください。

収穫したいもの貯蔵のし易さも「中」とされています(前掲の育成者による解説の表1、および農林水産省の主要品種特性表)。極端に貯蔵に強い品種でも弱い品種でもない、と考えておくとよいでしょう。

また、パープルスイートロードと比べて茎が短く太いため、地上部の草姿はコンパクトであるとされています。茎や節のアントシアニン(紫色のもとになるポリフェノールの一種)による着色は弱く、葉は緑色で大きく、複数の切れ込みがあります。

センチュウ抵抗性はネコブが「中」

土のなかにいる小さな線虫(センチュウ)への抵抗性は、サツマイモネコブセンチュウに「中」、ミナミネグサレセンチュウに「やや強」と評価されています(農研機構 品種詳細)。

育成者は栽培上の留意点として、サツマイモネコブセンチュウへの抵抗性が中程度であるため、同センチュウの多発地帯での栽培は避けるか、薬剤などによる防除に努める必要があると述べています。逆に言えば、それ以外の点では全国のさつまいも栽培地に適するとされています。

家庭菜園では、同じ場所でさつまいもを続けて作らない、いわゆる連作を避ける工夫が現実的な対策になります。被害が出た場合の薬剤の使用は、登録内容や使用基準を確認のうえご判断ください。

品種特性に合わせた栽培の4つのポイント

ここからが本題です。ふくむらさきは「一般的なさつまいもの育て方」でも育ちますが、それだと小いもが多くなりがちです。以下は、茨城県の鹿行農林事務所行方地域農業改良普及センターなどが、県農業研究所の成果『青果用かんしょ「ふくむらさき」の安定栽培法』をもとにまとめた栽培のポイントです。ふくむらさきの主要作付地域は茨城県とされており、その産地で実際に検討された内容にあたります。産地の営利栽培が前提ですが、何をどう変えるかという考え方は家庭菜園でも参考になります。

挿苗は5月下旬

苗を植える(挿苗)時期は、5月下旬がもっとも品質が安定するとされています。

早すぎても遅すぎても、それぞれ別の障害が出ます。挿苗が5月上中旬だと「裂開(れっかい)」——いもの表面が割れてしまう症状——が多くなります。反対に6月上旬になると、今度は「曲り」が多くなるとされています。

「早く植えたほうがよく育つ」と考えたくなりますが、ふくむらさきに関してはそうとは限らない、という点が押さえどころです。お住まいの地域の気候によって適期は前後しますので、5月下旬という時期は関東の産地での目安としてご覧ください。

株間は50cmを目安に広げる

苗と苗の間隔(株間)は、50cmに広げることがすすめられています。理由は明快で、ふくむらさきは上いも1個重が小さいため、1株あたりのいもを大きく育てる必要があるからです。

この推奨には裏づけがあります。令和3年度の現地実証では、株間40cmと50cmを3つの圃場で比較しました。40cmにすると3圃場のうち2圃場で総収量とA品収量がやや増えましたが、すべての圃場で株当たりのいもの数が減り、いも1個重が小さくなりました。実需者の求める200g前後のサイズをより満たしていたのは50cmのほうで、そのため適正株間は50cmであると結論づけられています。

さつまいもの家庭菜園では株間30cm前後で植える方法もよく紹介されていますが、ふくむらさきではもう少しゆとりをもたせる、と覚えておくとよいでしょう。株間を詰めて株数を増やすと、小さないもがさらに増える方向に働きます。

施肥はベニアズマ慣行の1.5倍

ふくむらさきは「ベニアズマ」に対して肥料要求度が高いため、施肥量はベニアズマの慣行栽培の1.5倍とされています。資料が挙げている例は、「カンショ専用468」を使う場合、ベニアズマで4袋/10aであればふくむらさきでは6袋/10aという比率です。

ただし、多ければ多いほどよいわけではありません。施肥量を比較した試験では、上いも重は慣行区2,945kg/10a、1.5倍施肥区3,104kg/10a、2倍施肥区2,875kg/10aとなり、2倍にすると慣行区より下がっています

さつまいもは一般に肥料が多すぎると、つるや葉ばかりが茂っていもが太らない「つるボケ」を起こしやすい作物です。この1.5倍という比率は、特定の肥料・特定の産地の土壌・営利栽培の作型を前提としたものであり、どんな条件でも当てはまる万能の数字ではありません。

家庭菜園では、「ふくむらさきは他品種よりやや肥料を欲しがる傾向がある」という方向性として受け止めるのが安全です。

在圃日数160日程度・10月下旬以降に収穫

収穫は、畑に置いておく期間(在圃日数)を160日程度確保することがすすめられています。資料は、収量といもの肥大を確保するためと理由を述べています。早掘りをすると小いもが多くなります。

5月下旬に挿苗した場合の、収穫時期による違いは次のとおりです。

収穫時期在圃日数上いも重(kg/10a)上いも1個重(g)A品率(%)裂開率(%)
10月上中旬138日2,570171621
10月下旬153日2,952190581
11月上旬167日2,872195601

(平成28〜30年の3か年平均。行方市・黒マルチ栽培・株間50cm・畦幅94cm・慣行施肥量 N:P₂O₅:K₂O=3.2:12.8:6.4 kg/10a。出典=農林水産省「良食味紫芋『ふくむらさき』安定生産技術の開発」表1)

この表から読み取れることを、正確にお伝えします。収穫を10月上中旬から10月下旬に遅らせると、上いも重と1個重は増えます。一方でA品率は62%から58%へ下がり、裂開率は1%のまま変わりません。収穫を遅らせれば品質の割合まで良くなる、という関係は認められていません。

さらに11月上旬まで置くと、上いも重は2,872kg/10aと10月下旬より下がります。遅ければ遅いほどよい、というわけでもないということです。

なお、在圃日数については資料によって幅があります。茨城県の平成30年度成果情報は「150日以上」としており、上記の普及資料は「160日程度」としています。地域の気候と実際のいもの太り具合を見ながら、無理に低温期まで畑に置かない範囲で判断してください。

ひとつ補足させてください。**この「十分な生育期間を確保する」という推奨は、いもの肥大と収量のためであって、甘くするためではありません。**農研機構のプレスリリース、技報、茨城県の成果情報のいずれも、理由として収量の確保を挙げています。生育期間の長さがふくむらさきの糖度をどれだけ変えるかを比較した試験は、確認できていません。

産地の数値を家庭菜園にどう読み替えるか

前章でご紹介した数値は、いずれも産地の営利栽培で得られたものです。そのまま家庭菜園に持ち込むと、かえって失敗のもとになる部分もあります。ここでは、数値との付き合い方を2点だけ整理しておきます。

施肥量は重量に換算できない

施肥の推奨は「4袋/10aから6袋/10aへ」という袋数で示されており、**1袋あたりの内容量は資料に書かれていません。**そのため、そもそも重量に換算できないとお考えください。

仮に換算できたとしても、そのまま家庭菜園に当てはめるのはおすすめしません。1a(アール)は100平方メートルですので、10aは1,000平方メートルにあたります。畑の規模がまったく違ううえ、肥料の種類が違えば成分の割合も違い、畑の地力や前作の残肥によっても必要量は変わります。市販の培養土やプランター用の土には、すでに元肥が含まれているものも多くあります。

読み替えるべきは数値そのものではなく、「1.5倍まではプラスに働くが、2倍にすると逆に下がる」という関係のほうです。

プランター・小面積で気をつけること

株間50cmという数値は、プランター栽培では現実的な制約になります。一般的な野菜用プランターでは、1つあたりに植えられる株数はごく限られます。株数を欲張らず、1株を大きく育てる方向で考えるのが、この品種の特性には合っています。

なお、さつまいも全般の植え付け方や水やりといった基本については、姉妹サイトのさつまいも大好き(koriimo.com)でも扱っています。

収穫したあとの扱い

無事に収穫できたら、次は保存です。ふくむらさきもさつまいもの一種ですので、基本的な扱いはほかの品種と大きく変わりません。ここでは温度の目安と、味に関する注意点をひとつだけお伝えします。

貯蔵の温度の目安

さつまいもの貯蔵に適した温度は、13〜15℃前後が目安とされています。農林水産省は13〜14℃を目安として示しています。

9℃以下の低温では腐敗しやすくなり、反対に15℃を超えると芽が出たり皮の色が劣化したりしやすくなります。冷蔵庫での保存が向かないのはこのためです。新聞紙に包み、直射日光を避けた涼しい場所に置くのが基本になります。

味の話について

「貯蔵すれば甘くなる」といった説明を見かけることがありますが、ふくむらさき固有の性質としてそれを裏づける比較試験は確認できていません。味や糖度についてはふくむらさきはどんな味?べにはるか並の甘さの根拠で、一次情報に基づいて詳しくまとめています。収穫したいもの調理については、甘さと紫色を活かす食べ方のコツをご紹介しています。

よくある質問

最後に、ふくむらさきを育てるうえでよく寄せられる疑問にお答えします。苗の入手から種苗法の扱いまで、迷いやすいポイントをまとめました。

Q1. ふくむらさきの苗はホームセンターで買えますか?

店舗によります。ふくむらさきは新しい品種で流通量が限られるため、必ず置いてあるとは限りません。農研機構が公開している種苗入手先リストで取扱会社を確認し、通信販売を利用する方が確実な場合が多いようです。取扱状況は年によって変わります。

Q2. 収穫したいもから翌年の苗をとってもいいですか?

販売も譲渡もしない自家消費目的の家庭菜園であれば、種苗法の制限の対象外です。ただし、そうして増やした種苗や、その種苗からとれた収穫物を他の人へ譲ることは育成者権の侵害にあたります。増やした分は、あくまでご自身の栽培と自家消費の範囲でお使いください。

なお、収穫物を販売する場合は扱いが変わり、育成者権者の許諾が必要になります(正規に入手した種苗そのものからの増殖は、入手後1年間にかぎり手続き不要)。詳しくは本文をご覧ください。また農研機構は、増殖を何年も繰り返した種苗は病害抵抗性の低下など特性が損なわれるおそれがあるとして、種苗の更新をすすめています。

Q3. パープルスイートロードとルールは同じですか?

異なります。パープルスイートロードは2024年11月8日に育成者権の存続期間が満了し、現在は一般品種です。そのため育成者権にもとづく増殖・利用の制限はありません。一方ふくむらさきは育成者権が存続する登録品種ですので、上記のルールが適用されます。同じ紫芋でも扱いが違う点にご注意ください。品種そのものについてはパープルスイートロードとはの記事をご覧ください。

Q4. プランターでも育てられますか?

さつまいも自体はプランターでも栽培できます。ふくむらさきは草姿がコンパクトであるとされていますが、株間50cmという推奨を考えると、大きめで深さのある容器を用意し、株数を絞るのが現実的です。1株を大きく育てる意識が、この品種には合っています。

Q5. 早めに掘ってはいけないのですか?

掘ること自体はできますが、小さないもが多くなりやすいとされています。在圃日数160日程度という推奨は、いもの肥大と収量のためのものです。甘さのためではない点は、前述のとおりです。ただし、遅ければよいというものでもありません。11月上旬まで置いた区では、10月下旬より上いも重が下がっています。

まとめ

ふくむらさきの育て方について、決まりごとと栽培のコツをご説明しました。要点を整理します。

  • 家庭菜園(販売も譲渡もしない自家消費)は種苗法の制限の対象外。許諾の手続きは不要です
  • 正規に買った苗からとれたいもは人に渡せますが、増やした種苗とその収穫物を渡すことはできません
  • 収穫物を販売する場合は扱いが変わり、自家用増殖には育成者権者の許諾(無償・原則手続きが必要)がいります
  • 苗は農研機構の種苗入手先リストで取扱会社を確認するのが確実です
  • 変えるべきは4点。挿苗は5月下旬/株間は50cm/施肥はやや多め/在圃日数160日程度で10月下旬以降に収穫
  • これらはすべて、上いも1個重が軽いという品種特性への対処です
  • 産地の数値は、そのまま家庭菜園に当てはめない。読み替えるべきは数値ではなく関係のほうです

ほかの紫芋品種との違いを横断的に見たい方は、紫芋の品種一覧|色・甘さ・用途で違いを比較もあわせてご覧ください。

ふくむらさきは、収量では高系14号やパープルスイートロードに及ばないものの、甘みと紫色の濃さで評価されてきた品種です。手をかけた分が味で返ってくる品種ともいえます。品種の特徴を知ったうえで、育てる楽しみを味わっていただければ幸いです。

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